更新日:2011/04/17
前回からの続きです。
私たちは、実は
問題の解決に振り回されて、苦しみの虜になってしまっているのではないか?
問題の解決に躍起になるのではなく、
そもそも
「 できるだけ苦しまない心のあり方 」を求めて
苦しみを和らげ、無くしていきましょう。
というご提案をしました。
それでは、その
「 できるだけ苦しまない心のあり方 」とは、どのような心のあり方なのか? です。
そこで前回、
「 私たちは、果たして、今、ちゃんと現実を生きているでしょうか? 」
という投げかけをしました。
ちゃんと現実を生きているのでしょうか?
私たちは現実を生きているのが当たり前で、
現実を生きていないと言われたら、不思議な感じかもしれません。
( 質問の意図が、すぐには伝わらないかもしれません。 )
それでは、一例として、皆さん。
注射をされる場面を思い出してみてください。
「 痛い~ 」
「 怖い~ 」
「 嫌だ~ 」
さまざまな思いが駆けめぐります。
針が刺さると思うだけで、恐怖と苦しみが襲いかかります。
注射嫌いな子どもは、もう針が刺さる前から泣いています。
でも、よく考えてみますと、
この場合の現実とは、実は、
「 針が刺さって、薬剤が注入されている一瞬。
チクッと痛い 」だけです。
それのみです。
この注射より痛いことはたくさんありますし、
まして、針が刺さる前から
私たちは、怯え、恐怖に苦しむのです。
これが、もしも、
私たちが、ちゃんと現実のみを生きているのだとしたら、
「 針が刺さった瞬間に、チクッとした痛み分 」
の苦しみを味わうだけで済むはずなんです。
それ以上の苦しみは、現実の苦しみではなく、自らがつくりだしてしまった苦しみです。
つまり、
私たちは、ちゃんと現実を生きているのではなく
自分の中で勝手に!? 恐怖と不安を増幅させた世界に生き、そして苦しんでいるのです。
いかがでしょうか?
私たちは、
現実を生きているつもりでも、
ふと気がつくと、現実と違う世界、
自分自身の思いの世界で生き、そして苦しんでしまっていることが、
実はとても多いのです。
もっとお金持ちの家に生まれればよかった。
もっと、カッコ良ければよかった。
もう年をとりたくない。
私は、もっと能力があるはずだ。
・・・・。
私たちは
現実を生きているようで生きていない。
私たちは、
現実と違うことを願い続けている存在。
現実と違う理想を追い続けている存在なんです。
言うならば、
私たちは、現実とは別の、
「 自らが作り上げた仮想世界、バーチャルな世界を生きている 」のです。
<続く>